「点描写」の問題は、小学校の入試問題でもよく用いられるものの一つです。点描写によって「注意力」「構成把握能力」「作業能力」「筆圧」「指先の調整能力」などの知能因子のチェックを一度に行うことができるので、よく出題されるのだと思われます。特に、図形関連の能力とは深い関係があるかのように見受けられます。出題形式としては、お手本の図形をそのまま写す問題が基本です。
線が1本でも欠けていたり、点同士がきちんと結ばれていない場合は、最後までできるように指導してあげてください。また、普段はきちんと点描写をこなすお子様でも、疲れていたり気分が乗らない日は間違えることも多く、点描写は集中力とも密接な関係があるようです。
線を引くときの難易度ですが、単純な縦横の線だけで構成されている絵が一番簡単です。斜めの線が混じると少し難しくなります。一番難しいのは、点の上を通過しない斜めの線です。斜めの線がどの点からどの点まで引いてあるのかを意識させながら、きれいな線が描けるようになるまで訓練してください。
「点描写①」では、極端に難しい斜めの線は出てきませんので、最初に点描写に取り組むには最適の教材です。
定規などは使わず、フリーハンドで描かせてください。直線はある程度曲がってもかまいませんが、指定された点の上を通すこと、指定されていない点は通さないことはきちんと守らせてください。全体的な注意ですが、大きく図形をとらえることができるようになれば、間違いが少なくなります。
点の端から端まできちんとした直線を引くのは、意外に難しいものです。どんな学習でもたいていは描く作業を伴いますので、早く正確に描けるようになることはとても重要です。1日2,3ページで十分ですから、点描写は毎日続けるようにしてください。
点描写での作業は実に単純ですが、毎日数ページずつこなすことにより、様々な能力、特に図形概念の能力の向上に抜群の効果があります。伊藤恭先生も長年の経験から断言されています。
伊藤先生は、苦手科目がある子どもには、毎日点描写をやらせてみることにしているそうです。早ければ、たった1週間で苦手科目が克服できるようになります。幼児に限らず、たとえば算数の苦手な小学生も毎日点描写をこなしているうちに、苦手意識が消えていったということもありますし、学習障害(LD)児にも用いられ、高い学習成果をあげています。
平面の点描写がこなせるようになったら、「点描写立体図形①」「点描写立体図形②」にもチャレンジしてみましょう。
知育玩具「ひももよう」とのご活用がおススメです。