図形に関連する問題を紙の上だけで学習するのは、あまり効果がありません。本物の図形能力を育てるためには、マグ・プレートのような学具でたっぷりと遊ぶ必要があります。
図形を見分ける能力や、空間をとらえる能力は、自分のまわりの世界を認識する能力です。まず認識することができなければ、構築することはできません。それは、学ぶ力にとって欠かせない能力です。
この問題集に取り組む際は、書き込みをしたり補助線を引いたりせず、頭の中で図形を合成分解できるような能力が育つように指導してください。頭の中で図形をイメージできるような能力は、学具や積み木でたっぷりと遊ぶことで育成されます。無理をせず、楽しく遊びながら自然に図形能力を身に付けさせるのがよいでしょう。
ピグマリオンで、2年以上の図形遊びの経験がある年長児の大半が、小1から小3程度の図形問題をすべて解答してしまうという事実が、図形遊びの重要性を示唆しています。
図形でただ遊ぶだけでなく、図形の正しい名称も教えてあげてください。単純に、まる、さんかく、しかくではなく、円、三角形、四角形という具合です。さらに、三角の仲間として、直角三角形、二等辺三角形、正三角形、直角二等辺三角形があり、四角の仲間として、正方形、長方形、台形、平行四辺形、ひし形があることを可能な限り教えてあげましょう。
早く正しい名前を覚えておけば、何度もその知識を利用することができ、図形能力として定着する度合いが高くなります。
図形能力は、知性を構成する主要な能力です。図形をイメージとしてとらえる能力は、さまざまな能力の基礎でもあります。
読み書きが苦手な場合、文字を図形として認識することがうまくできていないために、記憶したり書き取ったりということができないと考えられます。図形をただの○や△としてとらえるのではなく、全体をイメージして認識できるように図形能力を鍛えてください。