同類図形の問題は、高い思考力を育てるには最適の教材です。この問題についてきちんと指導すると、広い視野が獲得できるので、全体把握能力が育ちます。全体把握能力は、注意力・判断力・創造力の基礎となる能力であり、それらは「思考する」ためには欠かせない能力です。
さて、同類図形の取り組み方ですが、まずは絵や図形のすべてを同時に視野に入れることが一番大切です。次に、同じものを探すのと同時に、1つしかないもの、つまり絵や形が1つしかないとすぐにわかるものを頭の中で消去して、選択肢から排除します。
2つ、3つぐらいまでに絞り込めれば、簡単に全てを視野に入れることができるので、正解の候補を確認します。確認して正しければ、答えに○をしてください。
この問題に取り組む際、全てを比較しないまま解答するのはよくありません。制限時間内に解答しなければいけないというスピードの問題もありますが、全ての選択肢を確認しておかないと間違えてしまう可能性があります。
かといって、一つ一つ比較していくのでは、この問題に取り組む意味がありません。だからこそ、まず最初に全てを視野に入れることが大切なのです。早く解答することも大切ですが、広い視野を獲得するということにも留意して取り組むようにしてください。
入試では、図形だけではなく絵を用いた問題も出てきますが、基本は同じです。まずは全てを見る訓練をしてください。比較のためには、さまざまな視点で差異を見る必要がありますが、このように違う動作を同時に2つ、3つとこなすことで、思考力が養われるのです。
2,3個以上のものを見るということは、比較するということになります。そこで差異が明確にとらえられるようになると、早く正確に問題を解決することができるようになります。
問題の中で、絵や図形がどう違うのかをお子さまに説明させると、お子さまがどこに目をつけて問題に取り組んでいるのかがよくわかりますので、指導がしやすくなりますし、思考を言語化するよい訓練になります。